【体験談】白檀の扇子の香りと思い出

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今回は、当サイトへお寄せいただいた扇子に関する体験談をご紹介します。

 

今回の体験談は、白檀の扇子に関するお話です。それではどうぞ。

 

ヨーロッパで生活していると・・・

国際結婚して欧州に住む、35歳の女性・主婦です。

 

こちらに長く住んでいると、夏にうちわや扇子のたぐいを使用する…という習慣から離れてしまいます。暑い暑いと言っても空気が乾燥しているので、さほど気にはならない程度なのです。

 

田舎住まいの主婦生活なので、混み合った電車に乗る機会などもありません。ごくたまに、日本に一時帰国した際に、公共交通機関に乗ったら、たくさんの人がごく自然に扇子を取り出してあおいでいました。

 

それを見て「ワーオ、これこそ日本の夏風景!」と何だか外国人的な反応をしてしまうようになった自分が、何だか国籍不明なようです。

 

留学中のお土産に扇子を・・・

若い時分、留学先と日本とを定期的に往復していた頃は、現地の友人・恩師へのお土産として、よく扇子を持ち帰ったものです。

 

当時は京都に住んでいたので、錦通りや嵐山などで「これぞ日本!!」というようなはっきりした柄物の紙扇子をよく買いました。

 

次第に「もうベタになりすぎたかなあ」と思い、最近はお土産購入はやめたのですが、たまにお宅にお邪魔した際など、うやうやしく壁に広げて飾ってくれているのを発見したりして、ちょっと嬉しくなることもあります。

 

欧州にやってきた両親が・・・

ところで私の両親ですが、子どもが生まれたしばらく後に、はるばる欧州にやってきました。その年は珍しく暑さのこもる年だったので、部屋の中は少し蒸し暑さがありました。

 

と言っても、猛暑の日本からやってきた両親にとっては「いや~涼しい涼しい」と極楽のようです。

 

ふと、良い香りが漂ったのであたりを見回すと、母が自分の扇子を取り出してあおぎ始めた所でした。「こうやって扇子であおぐ程度で、十分涼しいわよね~」と言いつつあおぐその扇子は、木製のものでした。

 

「お母さん、その扇子…」

「あ、これ覚えてる??あんたが京都にいた時に、遊びに行って一緒に選んだのよね!」

 

そうです。京都の扇子店で一緒に選んだ、白檀の木の扇子でした。

 

白檀の扇子

明るめの木目に、精巧な透かし彫りが施されているものです。一見、穴ばかりでこれで風が送れるのかと、当時の私はいぶかしんだものです。

 

その場で広げて母があおぐと、素晴らしい香りがやわらかな風にのって飛んできました。母はその扇子が気に入り、以来ずっとバッグにしのばせて愛用しているのでした。

 

バッグの中のハンカチなどにも柔らかな移り香があるのもポイントだそうです。私たち家族は、いわゆる「抹香くささ」が好きです。お香やお線香の香りをかぐと、ほっと安堵するような、そんな感覚に陥るからでしょうか。

 

あれから何年も経っていると言うのに、あの時お店で味わった白檀の香りは衰えることがないようです。

 

「いいよねえ、このお香みたいな香り。日本のお寺にお参りしてるような気になるよ。」そう言って家族みんなで笑いました。

 

私もそのうち、懐かしいお寺の香りのする、素敵な白檀の扇子を日本で求めたい…と思っています。

 

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今回の体験談は以上になります。残念ながら当店では白檀の扇子は取り扱っていないのですが、体験談の中に出てきたような「柄物の紙扇子」は多数取り扱っています。

 

夏扇子(女性用)はこちら

 

夏扇子(男性用)はこちら

 

ちなみに、当店の夏扇子は骨の先に香料が染み込ませてあり、和を感じさせるほのかな香りがいたします。

 

また、当サイトでは扇子に関する体験談を募集しています。当店でお買い上げいただいた扇子以外の体験談でも大歓迎ですので、扇子に関する思い出などがある方は、ぜひ当サイトのお問い合わせフォームからお送りください。

 

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