【体験談】日本舞踊と舞扇子の思い出

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今回は、当サイトへお寄せいただいた舞扇子に関する体験談をご紹介します。
 
若い頃に日本舞踊を学ばれていた女性の体験談です。
 
 
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母の影響で始めた日本舞踊

 
神奈川県横浜市に在住の68歳の女性です。
 
若かりし頃、母の影響で日本舞踊に興味を持ち十年ほど花柳流を学びました。
 
初めての扇子は母が浅草の専門店で買ってくれたもので、赤地に白のぼかしで金銀の色紙が散らされた、紋様主体の白木のものでした。
 
シンプルで可愛く、初心者向けの扱いやすい扇子で大変気に入っていて、ボロボロになるまで使いました。
 
ほつれた糸を、祖母が何度も縫って直してくれたことを覚えています。
 
 

楽しかった日本舞踊のお稽古

 
当時は月に4回、先生の自宅の稽古場でその時々の演目を範囲を区切ってさらっていました。
 
初めのうちはお作法や着付けを覚えるのに必死で余裕がありませんでしたが、日本舞踊で使用する帯や着物、扇子、髪飾りなどは非日常的で美しく、「私もあんな着物を着て舞ってみたい」「あんな扇子を使ってみたい」という気持ちでどんどん夢中になりました。
 
ある程度踊れるようになってくると、扇子の扱いがいかに重要かが分かってきます。
 
扇子の扱いで舞の美しさが格段に違いますから、よく自宅でも扇子を開いたり閉じたりといった練習をしていました。特に扇子を美しく投げ、受けとる振りは習得するのに大変苦労したものです。
 
 

印象に残っている演目「黒田節」と「寿式三番叟」

 
思い出深い演目は、「黒田節」と「寿式三番叟」でしょうか。
 
「黒田節」の内容は流派の形に沿った定型的なものでしたが、人前で初めて自分の踊りを披露した機会でしたので大変印象深いです。
 
扇子は、表が金地に銀、裏には銀地に金の花の紋が描かれた黒漆の骨組みで、シンプルながらも格調高いものでした。こちらも、母が初めての扇子を買ってくれた浅草のお店で購入したものです。
 
 

舞踊のなかの舞扇子の役割

 
日本舞踊における舞扇子の役割は、落語家が使うそれと似ているところがあると思います。
 
器や鏡、刀、花など、演目によって様々に姿を変える踊り手の大切なパートナーですから、装飾的美しさはもちろん、踊りやすさが計算された質の良い扇子が不可欠です。
 
回す、開く、閉じるなどの所作がスムーズに行える骨組みの使いやすさも大切ですから、流派や扇子そのものの造詣が深い老舗で買い求めるのが一番なのではないでしょうか。
 
 
日本舞踊から離れて大分経ちますが、おかげで今でも多くの人から姿勢や所作が美しいと誉められます。
 
日本の伝統芸能というと、世界的には歌舞伎や能などが注目されがちですが、日本舞踊は表面的な美しさでなく、日本女性が古来から受け継ぐ芯のある美しさを引き出し磨いてくれる素晴らしい伝統芸能だと思います。
 
 
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今回の体験談は以上になります。
 
当店「山武扇舗」では、舞扇子を製造・販売しております。ネット通販でも扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
 
舞扇子の一覧はこちら
 
また、ネット通販には掲載していない舞扇子も数多く扱っており、日本舞踊に精通した店主が各流派、踊りの演目に合わせた扇の御相談にも応じさせていただいております。
 
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