【体験談】祖母の形見分けの扇子と国際交流

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今回は、当サイトへお寄せいただいた扇子に関する体験談をご紹介します。
 
大学時代から扇子を愛用し、今も色んなシーンで使い続けておられる女性の体験談です。
 
 
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大学の講義中のルールで扇子を

 
神奈川県藤沢市在住の45歳女性、主婦です。
 
学生の頃から何本もの扇子を使ってきました。
 
というのも私の通っていた大学では古い校舎のためクーラーの設備がなく、夏ともなれば都内の暑さに皆辟易していたのですが、その様子をみて教授方が「講義中に団扇はだめだが扇子は使用可」というルールを作ってくださったからなのです。
 
団扇はくだけた場で用いるものだけれど扇子は礼装にも用いるものであるから良い、ということだったようです。
 
そんなわけで各々が汗をふきふき愛用の扇子で扇ぐ姿が講義中見受けられました。
 
学生時代にはカバンの中で本に紛れて折れてしまったり破れてしまったりと悲惨な扱いを受けていた扇子達、おかげで4年間消耗品扱いでした。
 
百貨店の扇子売り場で購入した綺麗な柄物だったり書道の道具店で購入した白扇だったり、京都のお土産ものであったりといろいろでしたが、どれも私の夏を彩ってくれました。
 
 

現在愛用の祖母の形見の扇子

 
今使っているのは主人の祖母の形見分けの際に出てきたものです。
 
涼やかな菖蒲の柄で、故人の穏やかな人柄や着物をよく着ていらした姿が偲ばれるような品です。
 
集まった皆さまがあまり扇子には興味がなかったようなので、私が頂きました。
 
それ以来、初夏から秋までのスリーシーズンを私とともに過ごしております。
 
 

外国の方の注目を集める扇子

 
特に出かけるときは必ずカバンにいれて持ち歩いています。
 
電車の中で扇いでいると、特に東京近辺では最近多くなってきた外国人観光客の方の視線を集めるようで、身振り手振りで貸してくださいと頼まれることが時折あります。
 
数人で代わる代わる扇いでみたり、開いたり閉じたり要の部分をためつすがめつ眺めている彼らの姿には、扇子の国際交流を担う道具としての力を感じます。
 
貸す時に「それは祖母の形見の品です」などと英語で説明できるようにいくつかの単語を頭の中で繰り返しつつ差し出すようにしています。
 
もちろん「返してください」も必須ですが。飴玉を扇にのせて差し出して大喜びされたこともあります。
 
 

「あおぐ」以外の扇子の価値

 
こうしてみると扇ぐだけではなく使い勝手の良い道具として私は日常の中に取り入れているのだなと思います。
 
綺麗な扇子があると特にお土産にしたりしますし、頂くと嬉しいです。
 
別段茶道などを習っているわけではないのですが日本人の道具としてとても便利で日本情緒を感じさせる品のようなので、これからも活躍する場が多くなっていくのではと思います。
 
2020年のオリンピックに向けて、これからますます外国の方に貸して差し上げる機会が増えるのかなと、少し楽しみでもあります。
 
 
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今回の体験談は以上になります。
 
当店「山武扇舗」のネット通販では、普段使いの夏扇子、お飾りに最適な飾り扇子等、京都製の扇子を多数扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
 
 
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