今回は、当サイトへお寄せいただいた舞扇子に関する体験談をご紹介します。
大学時代から舞踊を始めたくさんの演目をお稽古されている女性の体験談です。
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大学生になってから日本舞踊を始めました
小学生のときに歌舞伎を観てから日本の踊りに興味を持ち、いつか日本舞踊を習いたいって思っていました。
当時は母が「女の子だからお稽古事はたくさんやりなさい」という方針のもと、バレーやジャズダンスなどを習っていて、他のお稽古事をする余裕がなかったので、大学に入ってから始め、35歳となる今年で17年目になります。
お稽古は毎月3回。
はじめは稽古用の浴衣の着方もわからなかったので、一から教えていただきました。
着方で驚いたのは最初に足袋を履くということ!
確かに浴衣を着てから座って足を出して足袋を履くのはやりにくいし、お行儀も悪い。
こんなところからも「日本人の心」を学べた気がします。
先生から贈られた舞扇子と初めての踊り
初めての踊りは、先生自ら振付けした「さくらさくら」でした。
聞きなれた曲ですし、自宅でも歌いながら練習できるので親しみやすかったです。
「さくらさくら」の最後の3番は初めて舞扇を使いました。
1番、2番が一通り踊れるようになった頃、先生からプレゼントされたのが、舞扇と舞扇袋です。
舞扇は壊れてしまいましたが、袋は今でも大切に使っています。
舞扇のお墓があるのも、お稽古場で知りました。
愛着のある舞扇が壊れてしまってどうしようかと思っていたら、姉弟子から「浅草神社の境内に扇塚がある」と聞きました。
自宅は東京都目黒区なので、浅草神社までそこまで遠くないので壊れた扇を持っていき、石造りの「古扇納め箱」に入れてきました。
毎年4月8日に供養してくださるそうです。
その後舞扇は浅草で購入するようになりました。
友人から誕生日プレゼントにいただいた1本を含めて、今は3本の舞扇を持っています。
たくさんの曲をお稽古しました
「さくらさくら」を踊り終えたあとからは、長唄の曲になりました。
今考えると19歳では可愛くない!と思いましたが、「菊尽くし」から始めて、「手習子」「松緑」「藤娘」「汐汲」「東都獅子」「廓八景」「松廼羽衣」「鷺娘」「雨の五郎」「夕月」「屋敷娘」をお稽古して、今は「浅妻船」を習っています。
これまで、長唄と常磐津しか踊ったことがないので、次は清元の踊りもしてみたいと密かに思っています。
日本舞踊はゆっくりした動きなので、一見楽そうに見えますが、実は体の芯がしっかりしていないと美しく動けないので、お稽古終わりは500mlのペットボトルを一気に飲み干してしまうくらい汗をかきます。
なんでもないように装いながら、美しい形を見せる……日本女性の美しさそのものなのかもしれません。
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今回の体験談は以上になります。
当店「山武扇舗」では、舞扇子を製造・販売しております。ネット通販でも扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
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